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居住用不動産の トレンド・分析・予測
居住用不動産の全体的な分析
1)最近の家賃のトレンドについて
三月の上旬に比べ、現在の賃貸住宅の需要はおよそ28%低下し、それによって賃貸住宅の家賃も平均で11%下がりました。このような現象は主にコンフォートクラス、そしてエコノミークラスの住居に見られました。ですが、エリートクラス、そして最も安いスーパーエコノミークラスのマンションにもそのような傾向がみられ、5~7%ほどの値下げが見られるケースもありました。
2)賃貸借条件について
賃貸住宅の需要が下がった結果、多くのオーナーは住民側の条件を受け入れやすくなり、小さいお子様連やペットをお連れの方々が住める住宅のバリエーションが広がりました。さらに、コロナ禍の時と同様に敷金の分割払いを許可するオーナーさんも少なくはありません。ただし、賃借条件は最終的に大家さんによって決められるので、人によってはもちろん賃借人側の条件を飲まないケースもあります。そして、五月の下旬から始め、少しずつ需要も上がりはじめているため、もうしばらくすると二月のレベルまで上がると予測されています。
3)居住用不動産の今後の予測
全体的に分析すると、この先の状況が改善され、ハイレベルの安全性が確保され次第、今年の九月には不動産市場の回復が期待されます。この先少しずつ外貨への規制がゆるまりますと、多くの海外企業がまたロシアに戻ることが期待されています。もちろん、二月までの状況が完全に復活される可能性は期待されていませんが、少しずつでも状況が改善されてきますと多くの大家さんがまた外貨で家賃を支払うことを許可してくれることになります。そのように不動産市場の現状が回復されますと、賃借人に対しての条件が徐々に厳しくなってきます。そうしますと不動産市場はまた大家さんに有利な方向へと変わってきます。
家賃の送金について
4)海外からのお得な振込方法について
一時的に日本に帰国し、日本からロシアで借り続けているお部屋の家賃を振込み続けている方々もたくさんいらっしゃるかと思います。そんな方々がロシアに送金する際に少しでも手数料や為替(かわせ)レートによる損失が少なくなる方法を紹介したいと思います。数多くある銀行の中から本日はライフファイゼンバンクを例にして解説していきます。賃貸借契約を結ぶ際に、ドルでの現金払いで家賃をお支払いしていた場合、ドル札が下ろせない今は二つのルートで日本から送金したドルをロシアでその相当額分のルーブルの現金として手に入れることができます。
· 第一ルートの場合(プレゼンテーションの右側のルート)、第一段階で日本のライフファイゼン銀行口座からドル、またはユーロをロシア在住の方のロシアのライフファイゼン銀行口座に送金します。この段階では振込金額に関わらず、五百ルーブルの手数料がかかります(①)。第二段階ではロシアのライフファイゼン銀行口座内でライフファイゼン銀行の為替ルートでドル、またはユーロをルーブルに変換します(②)。そして最終段階でやっとルーブルを現金で下ろすことができます(③)。
· もう一つのよりお得な方法の場合(プレゼンテーションの左側のルート)、第一段階は変わりませんが、次の段階でライフファイゼン銀行に申請してロシア連邦中央銀行の為替レートでルーブルに変換してもらうこともできます(④)。中央銀行のレートを使用するとどの銀行よりもお得にルーブルに変換することができます。ただし、この方法を使うと為替の段階で振込額の0.7%分の手数料がかかります。
この二つの方法を使った際、実際にどれぐらいの差がつくか、元の金額が4000ドルだったとして計算してみると、左側のルートを使って送金した方が最終的におろせる金額が19,000ルーブルも多い結果となりました。ライフファイゼン銀行だけでなく、他の銀行でもこの様な手が使える可能性がありますので確認してみることをお勧めします。
